おはようございます、アドバンス認定エンジェルカードリーダー™青星いるかです。
先日、Amazon Prime Videoで、『あんのこと』を観ました。
かなり衝撃的な内容で、見終わった後胸が重くなりましたが、目を背けてなかったことにしてはいけない物語だなと思いました。
というのも、この悲劇は、実話が元になっているらしいのです。
あらすじ
21歳の香川杏は、幼いころから母親に暴力を振るわれており、小学4年生から不登校。
母親からの強要で12歳から体を売って生活していた。
母親と、足の悪い祖母との三人暮らしで、自ら身体を売って稼いだ、わずかな金すらも母親に取られてしまう日々だった。
覚せい剤も使用しており、警察で取り調べを受けることになる。
杏の取り調べを担当したのは、多々羅保というベテラン刑事。
一風変わった多々羅に戸惑う杏だが、見返りを求めずに色々な世話を焼いてくれる彼に、杏は少しずつ心を開いていく。
ある日、多々羅に連れられて行った薬物更生者の自助グループで、杏はジャーナリストの桐野と出会う。
桐野のつてで就職先をみつけた杏は、真面目に介護の仕事をするようになる。
夜間学校にも通い始め、小学校で中断してしまった勉強も再開した。
色んな人の助けもあり、母親と離れ、自分だけの住居も確保した。杏は新しい安定した生活をやっと手に入れたのだ。
しかし、新型コロナウイルスの流行とともに、ようやく杏が手にした安定した日常が、音を立てて崩れていくことになる･･････。
悪環境から抜け出すことの大変さ
杏は、劣悪な環境で暮らしていました。ゴミためのような部屋で、母親に暴力を振るわれ、売春で稼いでこい！と怒鳴られる毎日。
その杏のわずかな稼ぎで、母と祖母と杏は、なんとかギリギリの暮らしをしていました。
杏は小学校も途中から行っていないため、漢字が読めないし、書けない。売春しか、お金を稼ぐ方法を知らないでいます。
そして、売春をするうちに、覚醒剤の味を覚えてしまい、抜け出せなくなってしまう。
こういう劣悪な環境にいて、友達もいないとなると、「自分がいかにひどい場所にいて、他の生活があるのか？」ということさえ、気がつけなくなってしまう、というのが胸が痛かったです。
杏にとっては、もう当たり前になっちゃってるんですね。
そして、外の大人達と出会い、そこから抜け出そうとしても、母親が鬼の形相で阻止してくる。おばあちゃんを人質みたいにして、「死なせるのか！」と恫喝してくる。
でも杏は勇気をだして、そこから逃げだし、新しい生活を歩み始めます。
夜間中学にも通い始めるが
介護の仕事を始め、夜間中学にも通い始めます。
この夜間中学、たくさん外国の方もいて、なんか日本語教師だった私は懐かしかったです。
杏は今までを取り戻すかのように、一生懸命漢字の書き取りをします。慣れない手つきで。
薬物更生の自助グループも、彼女の大事な居場所になっていくのですが、ここで手ひどい裏切りにあいます。信頼していた多田羅刑事がとんでもない裏の顔をもっていたのです。
そして時を同じくして、緊急事態宣言がだされ、杏は非常勤だったので仕事を失い、夜間学校も閉鎖されてしまいます。
どんどん孤立を深める中、希望の光が
どんどん孤立を深める中、ひょんなことから子供を預かることとなり、杏の心に希望の光がともります。
けれども結局、その光も奪われることとなるのです。
死なないで、生き抜こう
杏の感じた絶望や閉塞感は、きっと私には想像もつかないものなんだろうと思います。
ただ、彼女には生き抜いてほしかった。
というのも、自分で死んでしまっても、結局はまた同じ課題をクリアするまで似たような環境に生まれ変わるからです。
杏ちゃんは、ここまで壮絶な人生を生き抜いてきて、あともう少しのところで、クリアできるはずだった。
そして、心安らかに天国にいくはずだった。
でも、また同じ苦しみを味わうところから始めなくてはいけない･･････、という真実を知った後では、やるせなさが募ります。
情報にアクセスできない、私の隣の杏ちゃん
自分の人生を振り返ってみると、本当に恵まれているんだなぁと思います。
そんな人間に、この映画を語る資格はないのかもしれない。
でもきっと、だからこそ、なにかできることもあると思うのです。
私はとにかく読み書きさえできれば、後は自力でなんとか勉強をしていける、と思っていました。
なので、海外の貧困世帯を支援する活動を微力ながらしてきたのですが、日本でも漢字が読み書きできないと、情報にも辿り着くことができない、という事実に行き当たりました。
日本語って難しい言語なので、読解力という問題もあるし。
そうすると、杏ちゃんみたいな子達は、生活保護とかそういう、必要な情報にさえ、アクセスできない。
そういう子達を助けている人々や団体もたくさんあるんだろうけど、まだまだきっと十分ではない。
自分の隣をすれ違うかもしれない杏ちゃんのような子達に、一体何ができるのかなと、改めて考えさせられました。
私は日本語教師だったので、まずは日本語の読み書きができない外国の方へのボランティアを再開しようかなと思いました。できることから、一歩ずつ、ですね。
