ずっと長い間、モノを捨てるのが苦手でした。
紙箱でさえもタンスの上に積み重ねられているような、
貧乏性の家庭で育ったというのもあるのでしょうが、
どうしても捨てることができませんでした。
結婚するときも、その後何年も開けないこととなる
段ボールに荷物を詰め込み、
しかも実家に残していくモノと持って行くモノとの選択に
とてつもないエネルギーを注ぎ込み、ヘトヘトでした。
それをなんとか終えた後、こう思ったのを覚えています。
「次の引っ越しはもっと楽になるはず。
なにせ、今度は選択することなく、全部詰めてしまえばいいんだから」と。
結局、断舎利って、「捨てるかどうかの判断」に
エネルギーを使ってしまうから、なかなかできないんですよね。。。
それにしても、「捨てる」ということが、ほとんど
念頭になかった自分の考えに今ではぞっとします。
そんな中、ある転機がふいに訪れます。
ある肌寒い朝でした。私はまだ頭の中に鮮明に残る夢を、繰り返し反芻していました。
私と夫は車の後部座席にいて、車内は寸分の隙間もないほど、
モノでぎっちりと埋まっている。。身じろぎもできず、とても息苦しい。。
そんな夢でした。
起きてから、ぼんやりとした頭のまま、何気なしに本屋に寄ったのですが、
なぜかひときわ目につく本がありました。
それが、カレン・キングストンさんの
『ガラクタ捨てれば自分が見える』だったのです。
物を捨てて、新しいことが起こるスペースを作ろうという本でした。
私は夢中になって読み、何か月かをかけて、
家の中にたまりにたまった不用品を処分していきました。
ゴミ袋50個分、プラス乗用車2台分はあったでしょうか。
![](http://worldfreewriter.com/wp-content/uploads/2020/01/garbage-1260833_1920.jpg)
この本は、空間の浄化法である、「スペースクリアリング」についても
書かれていました。
必要のないものを処分し、滞っているエネルギーの流れを活性化させることによって、
幸運を呼び込むことになる、というものです。
東洋の風水が取り入れられており、聖水を使ったり、
塩やお香を焚く、キャンドルを灯すなどの方法も紹介されているのですが、
その前に、まず家の中に眠っているいわゆる「ガラクタ」を
片付ける。いらない物を捨てたり、処分したりしてから、掃除をする、
といったシンプルな教えです。
モノはどこにしまわれていたとしても、本人とつながっている、
というのには、びっくりしました。
カレンさんは、人の家にいくと、「ガラクタ」があるかどうか、
匂いでわかるんだそうです。
確かに、管理しきれていない物を減らしてみると、体や気持ちも軽くなり、
心理的にも余裕が出て、フットワークが軽くなりました。
自分の家を整理した後、実家も突然引っ越すことになり、
ほぼ強制的に、私の実家におきっぱなしだった荷物も
処分されることに。
今は、NZの夫の元にある8箱分のダンボール(2人分)と、
現在の実家にある4箱分の私の荷物のみとなりました。
多くのモノを失ったように見えますが、実はあの断舎利がきっかけとなり、
いろいろな国から来た友人とのかけがえのない経験を、
海外生活でさせてもらったように思えます。